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台湾への進出が容易になります

台湾は地理的に日本から近いだけでなく、親日国の一つであり、海外進出をするにあたり検討する地域の一つでしょう。しかし税金の観点で日本と台湾の間に大きな障害がありました。

国際的な二重課税を防ぐ仕組みとして租税条約があります。日本は世界各国と租税条約を締結していますが、その締結していない地域の一つが台湾でした。そのため二重課税を防ぐ仕組みがなかったのです。かつ台湾での滞在期間が90日を超えると台湾で所得税が課税されるという問題があり、台湾に進出する企業は頭を悩ませていました。弊社のお客様にそのような質問をいただくこともありました。

2015年11月に日台租税協定(所得に対する租税に関する二重課税の回避および脱税の防止のための公益財団 法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め)の署名がされました。実質的な租税条約であり、他の国と同様の投資活動ができるようになりました。

日台租税協定のポイントは以下の通りです。

効力を発する日

2017年1月1日以降に発生する所得が対象になります。

給与所得

次に挙げる三条件を満たす場合、日本でのみ課税され、台湾での課税はありません。日米租税条約とほぼ同じ条件になっています。

1) 日本居住者が関連する暦年度中に開始または終了する 12 カ月の期間において、台湾に連続または累計で滞在する日数が 183 日を 超えない

2) 当該報酬が、台湾の居住者でない雇用主またはこれに代わる者から支給されている

3) 当該報酬が、当該雇用主の台湾における恒久的施設または固定的施設により負担されていない

事業所得

“PEなければ課税なし”という原則通りです。またPEの範囲も明記されました。PEの範囲として代表的なものは以下の通りです。

1) 固定場所PE: 支店、出張所、事業所、事務所、工場、作業場、鉱山発掘所、 油田、天然ガス田、採石場又は、全てのその他天然資源採掘場所

2)工事PE: 建設・建築現場、取付工事、又はそれらに関連する監督管理作業の 継続期間が6カ月を超える場所

3)サービスPE: いずれか一方の企業が、従業員又はその他の人員を通じて他 方に提供するサービス又は関連工程が、任意の12カ月間において合計183日 を超える場合。当該サービスにはコンサルティングサービスを含む

4)代理人PE: いずれか一方の領域内にいる他方の企業を代表する者が当該 一方の領域内において、代表としてその企業の契約締結権を擁し、経常的に その権限を行使している。

 

また倉庫や問屋、そして情報収集など補助的な性格の活動を行うものはPEの範囲から明示的に除外されてます。一時的な駐在員事務所はPEにあたらないと考えます。

不動産所得

日本の居住者が台湾において保有している不動産を賃貸または譲渡したために生じた所得は台湾で課税されます。

その他投資所得

1) 配当所得 10%

2)利子所得 10%

3)使用料 10%

条文は以下で見ることができます。

https://www.koryu.or.jp/ez3_contents.nsf/15aef977a6d6761f49256de4002084ae/84d04e1b9ad3d03b49257f090009454a/$FILE/sozei-J.pdf

 

台湾は非常に親日的であり、日本からの投資がしやすい海外の一つです。日本からの投資にあたり、日台租税協定をうまく用いて租税の負担を減らしたいものですね。


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