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国境を越える電子通信役務の提供でよくある質問

海外からの電子書籍・音楽・広告の配信やクラウドサービス等の役務の提供は、その提供を受ける個人・事業者が日本の居住者の場合には、消費税が課税されるようになります。その課税の対象になる取引を「電気通信役務の提供」と言います。2015年10月1日から施行されました。

 

数多くの問い合わせを受けました。その中で、多くの方が疑問を持たれるであろう点について紹介いたします。

 

  • 値上げしなければならないのか?

 

答えはNoです。消費税が課税されることと、値上げをするということは別の問題ですので、必ずしも8%分値上げする必要はありません。ちなみにAmazonの電子書籍であるKindleでは、値上げをしないという選択をしています。つまり税抜価格は値下げということになります。もし税制改正前の税抜価格を改正後も維持したいのであれば、出品者が値上げをするという処理をする必要があります。

 

ちなみに、私はKindleで電子書籍を販売していますが、Amazon社から以下のような方針がメールで通知されました。

 

以前にお伝えしましたとおり、2015 年 10 月 1 日より、日本在住の読者に販売されるすべての電子書籍に 8% の消費税が適用されます。出版者様に特にお手続きしていただくことはありませんが、現在出版者様が KDP で出版されている本にはこの変更の影響を受ける可能性があるものが含まれていますので、お知らせいたします。

既存の KDP 本に対する 1 回限りの調整
10 月 1 日より、Amazon.co.jp 向けの希望小売価格の設定が税込み価格となり、販売時点の希望小売価格のうち、8% 部分が消費税とみなされることになります。たとえば、これまで Amazon.co.jp 向けの希望小売価格を 1,250 円に設定していた場合は、この 1,250 円がそのまま新しい税込みの希望小売価格となります。この価格から消費税が差し引かれるため、出版者様へ支払われるロイヤリティは、税抜き後の金額 1,157.4 円に基づいて計算されることになります。なお、出版者様は、いつでも KDP 利用規約の条項に従い希望小売価格を変更することが可能です。

 

  • 免税事業者でも登録国外事業者になれるか?

 

答えはYesです。基準期間における課税売上高が1000万円以下であれば、免税事業者に該当するのが原則です。免税事業者であれば、消費税の申告・納税義務はありませんので、登録国外事業者になる必要はありません。

 

サービスを受ける方は、サービス提供者が課税事業者か免税事業者かはわからないのが基本です。しかしながら、本制度の場合には、サービス提供者が登録国外事業者でなければ、サービスを受ける方は仕入税額控除をとることができません。つまり相手の財務状態がわかってしまうのです。知られたくないなどということであれば、登録国外事業者になるしかありません。

 

ただ登録することのデメリットとして、免税事業者であったとしても登録国外事業者になれば、消費税の申告納税が必須になります。これは本制度の大きな欠陥であろうと考えます。

 

なお登録によって、消費税率分の値上げをするのであれば、登録しようと免税であろうとキャッシュフロー的にはニュートラルですので、特にメリットデメリットはありません。税理士費用だけの差になります。

 

  • BtoB取引だけの場合、登録は必要か?

 

答えはNoです。BtoB取引だけの場合には、登録国外事業者になる必要はありません。消費税の納税としてはサービスを受ける方が行う必要がある(リバースチャージ方式)ので、そのことを通知する義務が国外事業者に発生します。

 

本制度のみならず、出国税の導入など国際税務の分野では、数多くの改正が行われています。最新の情報について疑問がありましたらお問い合わせいただければと思います。


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