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過大支払利子税制の創設

平成24年度税制改正において、関連者等に関する支払利子等の損金不算入制度が導入されました(租税特別措置法第66条の5の2)。

この過大支払利子税制においては、調整所得金額の50%を超える部分の利子等を損金不算入にするとなっております。
“調整所得金額”は、(当期の所得金額)+(関連者への支払利子等)+(減価償却費、受取配当金の益金不算入額、貸倒損失額等)- (タックスヘイブン税制による損金不算入額)により計算します。ただ支払利子等が1000万円未満または調整所得金額の50%未満であれば適用対象外です。

当期の利益が0円だと仮定した場合の以下のケースを考えてみましょう。

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支払利子が減価償却より大きいと、過大支払利子税制により課税される可能性があるというイメージです。

従来から、移転価格税制や過小資本税制により租税回避行為に対する手当は行われていました。移転価格税制は「過大な利率による租税回避」、過少資本税制は「資本に比して過大な支払利子による租税回避」に対する手当です。これに加えて、「所得に比して過大な支払利子による租税回避」に対する手当がされたということです。

ただ、これが本当に有効か?と思うこともあります。外資系企業が日本に進出した際には、海外の国外関連者から資金調達をすることがほとんどです。その際の支払利子が問題になるのだろうと思います。進出した直後であれば、ほとんど利益は出ておらず、所得がないことが多いです。かつ設立直後から設備投資をすることもあまりないので、減価償却費も計上されません。結果としてこの過大支払利子税制の適用対象になります。

ここからは私見ですが、外資系企業が海外の国外関連者から資金調達をするのは、租税回避が目的ではなく、日本国内で資金調達ができないから仕方なく、ということも少なくありません。そのような場合であっても、この税制の対象になってしまうケースがあります。グループ法人税制の導入もあり、内国法人間の資金融通は非常にやりやすくなったと理解しておりますが、外資系企業であれば、そうもいかないという状況は非常に残念に思っております。


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