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ドメスティックな日本の税法

弊事務所では海外から日本に進出されてこられるお客様を多く担当させていただいております。海外では12月決算が基本であり、必然的に日本に設立される子会社や支店も12月決算になります。ということで弊事務所では各種申告書の提出期限である2月末が一つの繁忙期なのです。

日本の税法は日本に進出してこられる海外の方用に設計されていないので、一つ一つのケースで悩むことが多くあります。

例えば、最近の税制改正により、資本金が5億円以上の親会社の100%子会社は、たとえ資本金が1億円以下であったとしても、中小企業の特例を使うことができないことになりました。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5800.htm

この場合、海外にある親会社の決算書を見ても何が資本金なのかわからないことが多くあります。その項目が資本金なのか資本剰余金なのかによって、全く税率が異なってきます。その国の会計制度を調べながら、どちらに該当するかを検討していくことになります。

また仮に期中に親会社が増資などをした結果、資本金が5億円以上になったとして、子会社において中小企業の特例を使えなくなった場合、法人税の税率は上がります。でも事業税などの税率は変わりませんので、法人税だけ大きく納税額が増えるように見えます。「昨年と全く違うけど、何か間違っているのではないか?」という問い合わせも受けました。「親会社の決算書のココが、日本では資本剰余金ではなく資本金に該当するから、結果として資本金が5億円を超えるので、昨年と同じ特例は使えないんだよ」と説明はしましたが…2013年は円安でしたので、為替の関係により親会社の資本金も大きくなってしまうという不思議な状況もあり…

果たしてこの条文が、海外に親会社があることも考慮して作られたのか?と疑問に思ってしまいます。

グローバルだ!という掛け声はいいですが、税法はどんどん複雑化して、かつ海外のことを全く考慮していないというドメスティックなものであり、海外の方から見ると全く理解できない、というようになっている気がしてなりません。

 


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