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平成26年度税制大綱(国際税務)

昨日、税制大綱が公開されました。国際税務に係る部分が大幅に改正される見込みです。

https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/pdf128_1.pdf

外国法人に関する課税が大幅に変わる予定です。重要と思われる部分を以下にピックアップしました。

(1) PEを有する外国法人のPE帰属所得以外の国内源泉所得に対する課税

わが国にPEを有する外国法人のPE帰属所得以外の国内源泉所得については、PE帰属所得とは分離して課税することとし、Non-PE外国法人が得る国内源泉所得と同様の課税関係とする。

<コメント>すなわち従来、外国法人の課税の対象となっていた”国内源泉所得”を2つに分類し、それぞれ別々に課税するということになるようです。

(2)PE帰属所得

① PE帰属所得の考え方
PE帰属所得は、PEが本店等から分離・独立した企業であると擬制した場合に当該PEに帰せられる所得とする。
② 支店形態以外のPEの取扱い
支店形態以外のPE帰属所得についても、支店形態のPEと同様に取り扱う。
(2)PEと本店等との間の内部取引
① 内部取引損益の認識
PE帰属所得の算定においては、PEと本店等との間の内部取引について損益を認識する。

② 内部取引に対する移転価格課税等の適用
イ 内部取引価格が独立企業間価格と異なることによりPE帰属所得が過少となっている場合には、移転価格税制と同様に、内部取引価格を独立企業間価格に引き直して、PE帰属所得を計算する

<コメント>これは厳しい改正です。内部取引は、単なる資金移動として扱ってきましたが、仮に支店本店間であっても利益を認識しろよ、ということです。でも他のところに、送金は資本取引とする記載もあったりして、まだ自分の中で整合性が取れていませんが。

(3) PEへの資本の配賦及びPEの支払利子控除制限 

① 支払利子控除制限
PEの自己資本相当額が、PEが本店等から分離・独立した企業であると擬制した場合に帰せられるべき資本(以下「PE帰属資本」という。)の額に満たない場合には、PEにおける支払利子総額(PEから本店等への内部支払利子及び本店等からPEに費用配賦された利子を含む。)のうち、その満たない部分に対応する金額について、PE帰属所得の計算上、損金の額に算入しない。
② PE帰属資本の額
PE帰属資本の額は、次のいずれかの方法によって計算した金額とする。
ただし、選択した方法は、特段の事情がない限り、継続して適用する。
イ 資本配賦アプローチ
(イ)資本配賦アプローチは、外国法人の自己資本の額に、外国法人の資産の額に対するPE帰属資産の額の割合を乗じて、PE帰属資本の額を計算する方法とする。
(ロ)外国法人の資産の額及びPE帰属資産の額は、信用リスク、市場リスク、業務リスク及びその他のリスクを考慮した金額(以下「リスクウェイト資産の額」という。)とする。

<コメント>正直、「なんじゃこりゃー!」という感じです。要は帰属主義ということは、外国法人も一つの法人だとみなして、資本金などを持つんだということでしょうか。

(4) 課税標準
①PEを有する外国法人
PEを有する外国法人の課税標準は、PE帰属所得とPE帰属所得以外の国内源泉所得(以下「PE非帰属国内源泉所得」という。)とに区分することとし、これらを通算しない。

(5) 繰越欠損金
①PEを有する外国法人
PEを有する外国法人の繰越欠損金は、PE帰属所得に係る繰越欠損金とPE非帰属国内源泉所得に係る繰越欠損金とに区分することとし、それぞれPE帰属所得及びPE非帰属国内源泉所得から控除する。
②Non-PE外国法人
Non-PE外国法人の繰越欠損金は、PE非帰属国内源泉所得に係る繰越欠損金とする。

(6) 税額の計算
①PEを有する外国法人
PEを有する外国法人の法人税額は、PE帰属所得とPE非帰属国内源泉所得のそれぞれに税率を乗じて計算するものとする。
(注1)中小法人の軽減税率の適用については、PE帰属所得とPE非帰属国内源泉所得のそれぞれについて行う。

②Non-PE外国法人
Non-PE外国法人の法人税額は、PE非帰属国内源泉所得に税率を乗じて計
算するものとする。
(7) 外国法人のPEに係る外国税額控除
①基本的考え方
外国法人のPEが本店所在地国以外の第三国で得た所得がPE帰属所得としてわが国の課税対象となることに伴い、PEのための外国税額控除制度を設ける。

<コメント>第三国で得た所得が日本の外国法人の所得になるということが今までありませんでしたので、外国税額控除の制度が使えるようになるようです。正直今の実務をどのように変更すれば、これに対応できるのかイメージが付きませんが。

この改正に伴い、内国法人の外国税額控除の範囲も異なってくるようです。意外と影響あるかもしれませんね。

(8) 適正な課税の確保 

外国法人のPE帰属所得及び税額の計算に関し、同族会社の行為計算否認規定に類似した租税回避防止規定を設ける。

<コメント>ひでぇ・・・

(9) 個人課税
① 非居住者(個人)への帰属主義の適用
非居住者(個人)課税については、帰属主義に変更する外国法人の取扱いに準じて所要の措置を講ずる。
②外国法人との差異
非居住者(個人)の所得税額の計算においては、非居住者(個人)の総合的な所得を基準とし、これをPE帰属所得とPE非帰属国内源泉所得のうち総合課税の対象となるものとに区分しない。

<コメント>外国人の所得税も変わるみたいです。ひぇー。

(10)適用時期 

上記の改正は、平成 28 年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税及び平成 29 年分以後の所得税について適用する。

 


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