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不動産と消費税増税

今週、不動産業の方向けに「不動産と消費税増税」というタイトルでセミナーをしてきました。

その中でのトピックをいくつかご紹介いたします。

(1)前受家賃と消費税

「3月に4月分の消費税を受け取ったらどうなるのか?」という質問です。これは今年の1月に国税庁からQAが公表されました。(以下引用します)

(問)

当社は、不動産賃貸業を営む会社ですが、平成 25 年 10 月1日以後に契約する賃貸借契約(改正法附則第5条第4項に規定する経過措置は適用されないもの)における次の賃貸料に係る消費税の適用税率について教えてください。

① 当月分(1日から末日まで)の賃貸料の支払期日を前月○日としている賃貸借契約で平成 26 年4月分の賃貸料を平成 26 年3月に受領する場合

①     当月分の賃貸料の支払期日を翌月○日としている賃貸借契約で、平成 26 年3月分の賃貸料を平成 26 年4月に受領する場合

(答)

新消費税法は、経過措置が適用される場合を除き、施行日以後に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等について適用されます(改正法附則2)。

照会①は、平成 26 年4月分の賃貸料であり、施行日以後である平成 26 年4月分の資産の貸付けの対価として受領するものですから、4月末日における税率(8%)が適用されます。 照会②は、平成 26 年3月分の賃貸料であり、施行日前である平成 26 年3月分の資産の貸付けの対価として受領するものですから、支払期日を4月としている場合であっても、3月末日における税率(5%)が適用されます。

(引用終わり)

「3月に4月分の家賃をもらったら8%が適用されるし、4月に3月分の家賃をもらったら5%が適用される」ということです。ただし現金主義で経理をしている場合、すなわちお金を受け取ったときに売上げを計上しているような場合は、②の場合8%が適用されるような気もするのですが…

(2)不動産の仲介手数料について

不動産の仲介手数料ですが、その仲介業務が完了した日がいつかによって適用される税率が違ってきます(基本通達9-1-5)。4月1日以降に仲介が完了した場合には、適用される税率は8%になります。

ただし、何をもって「仲介が完了したか?」というのは意外と物件によって異なってきます。”鍵の引渡し”までなのか、”重要事項の説明をしたとき”までなのか、物件によって異なります。「実務的にどのようにしたら良いか?」という質問をいただきましたが、めんどくさくても、その案件ごとにその日付を確認していくしかないです。

またもう一つ重要な点は、「お客様に事前にきちんと説明しておく」ということです。仲介しようと思っている物件が、鍵の引き渡しまで作業をしなければならないものであれば、「鍵の引渡しが4月1日以降になれば、消費税率は8%になります」ということを事前に説明しておくことが重要です。

 

(3)長期契約の物件の消費税(定期建物賃貸借契約など)

長期契約の物件の契約期間は長期間に渡ります。そして賃料が明記されており、かつ意外と「賃料の見直しは行わない」という文言が入っていることもあります。しかし何年後かに賃料の見直しをすることができるようになっていることが多いです。その場合、貸付けの経過措置の適用があるのかどうかは非常に悩むところです。

昨年4月に国税庁から公表されたQAの問41などが参考になるのですが、上記のような場合を想定しているのかどうかは疑義が残ります。契約期間の一部だけ経過措置の適用があるのかどうかです。問40のように変更後の対価の額が明記されていればいいのですが、そこが決まっていない場合、本当に適用があるのかどうか?ということです。あくまで個人的な感想ですが、保守的に新税率を適用した方がいいのではないか?という気がしています。

 


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